小児歯科・小児矯正歯科
お子様の健やかな成長を願う保護者の皆様にとって、お口の健康は身体の健康と同じくらい大切な関心事であると思います。
「虫歯のない、きれいな歯並びの子に育ってほしい」それは私たち歯科医師にとっても、同じ願いです。
お子様が初めて経験する歯科医院は、その後の人生における歯の健康を左右する非常に重要な場所になります。
もし最初の出会いで「歯医者さんは、痛くて怖い場所だ」という記憶が刻まれてしまったら、お子様は自ら進んでお口の健康を守ろうという気持ちを失ってしまうかもしれません。
だからこそ私たちの使命は、まずお子様一人ひとりの気持ちに寄り添い、「歯医者さんは、自分の歯を守ってくれる、楽しい場所なんだ」と感じてもらうことです。
決して無理強いはせず、お子様のペースに合わせて少しずつ歯科医院の雰囲気に慣れてもらうことから始めます。
乳歯はいずれ永久歯に生え変わるから、虫歯になっても大丈夫ということは決してありません。
乳歯には、後から生えてくる永久歯を正しい位置へと導くという大切な役割があります。
乳歯の健康状態は、永久歯の歯並びや、顎の健全な発育にまで大きな影響を及ぼすのです。
古屋歯科医院の小児歯科
お子様の未来のために、私たちが掲げる３つの約束
当院では、お子様が安心して、そして楽しく通える歯科医院であるために保護者の皆様に３つのことをお約束します。
1. お子様の気持ちを、何よりも優先します
大人が思う以上に、お子様は初めての場所や見慣れない器具に対して強い不安や恐怖心を感じています。その気持ちを無視して、無理に治療を進めるようなことは一切いたしません。
まずはお子様とたくさんお話をすることから始めます。そして、診療チェアに座る練習、お口を開ける練習、器具に触れてもらう練習といったように、一つひとつのステップをゆっくりとお子様が納得しながら進めていきます。
これから何をするのかを、お子様にも分かる言葉で説明し、実際に使う器具を見せ、安全であることを理解してもらってから初めて治療に移ります。
時にはその日の治療ができないこともあるかもしれません。しかし、私たちはその時間を無駄だとは考えません。
お子様が歯科医院という場所に慣れ、私たちスタッフと信頼関係を築くための未来への大切な投資だと考えております。
2. 「治療」よりも「予防」で、虫歯ゼロを目指します
虫歯になってしまった歯を治療することは、もちろん重要です。しかし、それ以上に大切なのは、そもそも「虫歯にならないお口の環境」を作ることです。
一度削ってしまった歯は、決して元には戻りません。
当院では、治療のためではなく予防のために通っていただくことを理想としています。
お子様のお口の健康を守るためには、ご家庭での「セルフケア」と歯科医院での「プロフェッショナルケア」の両輪が不可欠です。
定期的にご来院いただき、フッ素塗布などの予防処置を受けることで虫歯になるリスクを大幅に減らすことができます。また、専門家の目で定期的にお口の中をチェックすることで、万が一虫歯ができてしまった場合でもごく初期の段階で発見し、歯への負担が最も少ない方法で対処することが可能です。
お子様にとって、歯科医院が「痛くなってから行く場所」ではなく「歯を強くするために行く場所」になるよう、全力でサポートいたします。
3. 痛みを最小限に抑える、最大限の工夫をします
お子様が歯科治療に対して恐怖心を抱く最大の原因は「痛み」です。私たちは、この痛みを極力感じさせないための様々な工夫を行っています。
当院の基本方針は「無闇に歯を削らない」「極力麻酔はしない」ことです。初期の虫歯であれば、削らずに進行を抑制する方法を選択します。
どうしても麻酔が必要になった場合でも、お子様の不安を和らげるための特別な配慮をしています。
麻酔注射の痛みの大部分は、針が歯ぐきに刺さる時の「チクッ」とした痛みと麻酔液が注入される時の圧力による痛みです。この痛みを軽減するために、当院では注射の前にまず歯ぐきの表面に麻酔を効かせます。その際に使用するのが、マイクロニードル技術を応用した「アネスパッチ」というシールのような表面麻酔薬です。
注射で泣く子をゼロにしたい。その想いを形にした「アネスパッチ」
「アネスパッチ」は、数百本ものごく微細な針（マイクロニードル）がついたパッチを歯ぐきに貼ることで麻酔薬を迅速に浸透させる医療機器です。針といっても、髪の毛よりも細く痛みを感じる神経に届かないほどの長さなので、貼る時に痛みを感じることはありません。
従来の塗るタイプの表面麻酔は、効果が出るまでに5分以上の時間が必要でしたが、このアネスパッチは最短1分で効果が現れます。麻酔を待つ時間が短縮されることで、お子様の不安や緊張が高まるのを防ぎます。
また、パッチが歯ぐきにしっかりと密着するため、麻酔薬がお口の中に流れ出して苦い味がしたり誤って飲み込んでしまったりする心配もありません。
この「アネスパッチ」で歯ぐきの感覚を十分に麻痺させてから、現在利用できる中で最も細い注射針を使いゆっくりと麻酔液を注入します。この手順を踏むことで、ほとんどのお子様が注射の痛みを感じることなく麻酔を終えることができます。
「痛くない治療」を実現することは、お子様が将来にわたって歯の健康を維持していくための大切な第一歩なのです。
小児歯科の主な診療内容
お子様のお口の中は、日々成長し変化しています。
当院では、その成長段階に合わせたきめ細やかな診療を行います。
虫歯治療
お子様の乳歯は、大人の永久歯に比べてエナメル質が薄く柔らかいため、虫歯に対する抵抗力が弱く一度虫歯になるとあっという間に進行してしまうという特徴があります。
「どうせ生え変わるから」と乳歯の虫歯を放置してしまうと、以下のような様々な問題を引き起こします。
- 後から生えてくる永久歯が、虫歯になりやすくなる
- 永久歯が正しい位置に生えるためのスペースが失われ、歯並びが悪くなる原因となる
- 食べ物をしっかり噛めず、顎の成長や栄養摂取に影響が出る
- 痛みを我慢することで、精神的なストレスになる
当院では、乳歯の虫歯に対しても永久歯と同様に削る範囲を最小限に抑えることを第一に考えます。
進行を止めるお薬を塗るだけで済む場合もありますし、削る場合でも白いプラスチック（コンポジットレジン）を詰めるなど、できるだけ短時間でお子様に負担の少ない治療を心がけています。
予防処置
虫歯にさせないためのプロフェッショナルケアは、お子様のお口の健康を守る上で非常に効果的です。
フッ素塗布
フッ素には、虫歯予防に有効な三つの働きがあります。
- 歯の表面のエナメル質を強くし、酸に溶けにくい歯質を作る
- ごく初期の虫歯（C0）を修復する「再石灰化」を促進する
- 虫歯菌の活動を抑制する
当院では、歯科医院でしか扱えない高濃度のフッ素を定期的に歯の表面に塗布することをお勧めしております。
特に、歯が生え始めたばかりの時期や永久歯に生え変わる時期は、歯質がまだ未成熟で虫歯になりやすいためフッ素塗布が大変効果的です。処置に痛みは全くなく、短時間で終わります。
シーラント
生えたての奥歯の永久歯（特に6歳臼歯）は、溝が非常に深くて複雑な形をしており歯ブラシの毛先が届きにくいため、最も虫歯になりやすい歯といえます。
「シーラント」は、この奥歯の溝を虫歯になる前にフッ素を含んだプラスチックで埋めてしまい、食べかすや歯垢が溜まるのを防ぐ予防処置です。歯を削ることは一切なく、痛みもありません。
ブラッシング指導（歯磨き指導）
ご家庭でのセルフケアの主役は、もちろん歯磨きです。しかし、お子様がご自身で隅々まで完璧に磨くことは非常に難しいものです。
当院では、お子様が楽しく歯磨きを続けられるように年齢やお口の状態に合わせた歯ブラシの選び方や正しい磨き方を、鏡を見ながら一緒に練習します。同時に、保護者の皆様には「仕上げ磨き」の指導をさせていただきます。
どこに磨き残しが多いのか、どのような角度で歯ブラシを当てれば汚れが落ちやすいのかといった実践的なコツをお伝えします。
お子様が小さいうちは、保護者の方による仕上げ磨きが虫歯予防の最も重要な鍵となります。
飲食指導
お口の健康は、食生活と密接に関わっています。虫歯は、お口の中に糖分が存在する時間が長ければ長いほどリスクが高まります。
アメやガム、ジュースなどを長時間にわたって口にする「だらだら食べ」「だらだら飲み」は、最も避けたい食習慣です。
おやつの時間と量を決め、規則正しい食生活を送ることの大切さをお伝えし虫歯になりにくいおやつの選び方などもアドバイスいたします。
小児矯正歯科
お子様の健やかな未来を育む、矯正治療
お子様の歯並びについて、「少しガタガタしているのが気になる」「受け口になっているのではないか」といったご心配をお持ちの保護者の方もいらっしゃると思います。
小児矯正治療は、大人の矯正治療とはその目的が大きく異なります。
大人の矯正が、すでに生えそろった永久歯を動かして歯並びを整える「治療」であるのに対し、小児矯正はお子様の顎の成長を利用して永久歯が将来きれいに並ぶための「土台作り」を行う「育成」に近い治療です。
顎の骨がまだ柔らかく、成長段階にあるお子様の時期にしかできない非常に大きなメリットのある治療といえます。
子どものうちから矯正治療を始めるのがベスト
小児矯正を適切な時期に始めることには、多くのメリットがあります。
顎の成長を正しい方向へ導きます
受け口や出っ歯といった骨格的な問題は、上下の顎の成長バランスが崩れることによって起こります。
小児矯正では、専用の装置を使って顎の成長をコントロールしこのバランスを整えることができます。
これにより、将来的に外科手術が必要になるような大きな骨格のズレを防ぐことにつながります。
永久歯が生えるスペースを確保します
歯がガタガタに並んでしまう大きな原因は、歯の大きさと顎の大きさのアンバランス、つまり歯が並ぶためのスペースが不足していることです。
小児矯正では、顎の骨の成長を促して横幅を広げ永久歯がきちんと並ぶためのスペースを確保することができます。
抜歯の可能性を低くします
子どものうちに顎の大きさを整えておくことで、将来永久歯を並べるために健康な歯を抜かなければならない「抜歯矯正」のリスクを大幅に減らすことができます。
お口周りの悪い癖（口腔習癖）を改善します
指しゃぶり、口をポカンと開けている（口呼吸）、舌を前に出す癖、爪噛みといった癖は歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼす大きな原因となります。
矯正治療と並行して、これらの癖を改善するためのトレーニング（MFT：口腔筋機能療法）を行うことで、後戻りを防ぎお口周りの筋肉の正しい発達を促します。
早期にコンプレックスを解消します
歯並びのことでからかわれたり、見た目を気にしたりすることはお子様にとって大きな精神的ストレスになります。
早い段階でコンプレックスを解消してあげることは、お子様の健全な心の成長をサポートすることにも繋がります。
治療を始める時期の目安
矯正治療を始めるのに最適な時期は、お子様のお口の状態や骨格の成長段階によって一人ひとり異なります。
一般的に、顎の成長をコントロールする第一期治療は、上下の前歯4本が永久歯に生え変わる5歳から11歳頃の「混合歯列期」に始めるのが効果的とされています。
しかし、受け口（反対咬合）などできるだけ早く治療を開始した方が良いケースもあります。
「まだ早いかな？」と思われても、歯並びで少しでも気になることがあればまずは一度専門家にご相談いただくことをお勧めします。
定期的に成長を観察させていただくことで、最も良いタイミングで治療を開始することができます。
当院の小児矯正治療
当院の小児矯正は、成人矯正と同様に矯正歯科を専門とする「日本矯正歯科学会認定医」が担当いたします。
専門医が、お子様一人ひとりの成長発育段階を正確に診断し長期的な視点に立った最適な治療計画を立案します。
私たちは、単に歯並びをきれいにするだけでなく正しい呼吸や飲み込み方（嚥下）、発音といった「お口の機能」を正しく育てることを重視しています。見た目と機能の両方が整って初めて、その歯並びは一生涯の財産となるのです。
マウスピース型矯正装置（インビザライン・ファースト）
当院では、お子様の矯正治療においても見た目を気にせず快適に治療を進められるマウスピース型矯正装置「インビザライン・ファースト」を導入しております。
これは、成長期のお子様のために特別に開発されたインビザラインの小児用プログラムです。
インビザライン・ファーストの主な特徴
- 取り外しが可能で、衛生的
食事や歯磨きの際には取り外せるため、虫歯のリスクを抑えお口の中を清潔に保つことができます。 - 痛みが少なく、快適
従来の装置に比べて、痛みや口内炎などのトラブルが少ないのが特徴です。 - 見た目を気にせず、思い切り笑える
装置は透明なので、治療中であることをお友達に気づかれることはほとんどありません。 - 顎の拡大と歯並びの改善を同時に行う
顎のスペースを広げながら、同時に前歯のガタガタなども改善していくことができます。
お子様ご自身で装着時間を管理していただく必要はありますが、治療に対するお子様のモチベーションを高めご負担を大きく軽減できる優れた治療法の一つです。
保護者の皆様へ
お子様が、生涯にわたって健康な歯で美味しく食事をし、心からの笑顔で過ごせるように。
その土台を築く大切な幼児期・学童期に、私たち歯科医師がお手伝いできることはたくさんあります。
お子様を歯医者嫌いにさせないためには、ご家庭でのご協力も時として必要になります。
例えば、歯科医院へ行く前に「痛くないから大丈夫」「何もしないから」といった言葉で安心させようとすると、かえってお子様は「何か痛いことをされるのかもしれない」と警戒してしまいます。
「歯がきれいになるか、先生に見てもらいに行こうね」「虫歯さんがいないか、数を数えてもらおうね」といった前向きで楽しい言葉がけをしていただけると、お子様もリラックスして臨むことができます。
お子様のお口のことで、分からないことやご不安なことはどんな些細なことでも構いません。どうぞ私たちに遠慮なくご質問ください。
保護者の皆様と手を取り合い、チーム一丸となってお子様の輝く未来を育んでいくこと。
それが、古屋歯科医院の小児歯科・小児矯正歯科の変わらぬ想いです。